色んなものが育つんだろう
2013.03.30 23:32|雑記|

息子1は、そんなでも無事に一年生を修了しました。
娘も無事に進級、
息子2も今日、年長さんへの進級式です。
修了式、息子1が持ち帰って来たプリントの山やら、
気まずくて持ち帰って来なかった答案用紙やらに紛れてあった
賞状と写真
「平成24年度図書館で借りた本
107冊
これからもたくさん本を読みましょう」
校長室で表彰されている息子1の写真
「あんたっ!今までのはなんだったのっ!」
「ン~メンドクサイシヒヒヒヒ☆」
小動物のように笑ってごまかし去っていく1。
親や先生に褒められる気が無さすぎな子供も珍しい気がします。
そうして春休みになろうとする頃、
おじいちゃんの兄弟が亡くなったと連絡がありました。
もちろん家族でお別れに行ったのですが
出棺のとき、1は亡くなったおじさんを見て、
驚いたのかわたしの所に戻ってきて
わたしの陰に隠れながら花を受け取り
おじさんの胸元に花を置きました。
生まれて初めて亡くなった人を見た時でした。
おじさんはとても安らかな寝顔をしていましたが
1はわたしの横に張り付いて小さな声で
「コワイナー」
と、1は笑ってごまかして、
わたしの体に顔を伏せて気持ちの動揺を消そうとしていました。
不謹慎でしたけど、大人だって当たり前に会話をしていた人が
狭い棺の中に花と共に横たわる姿は平気ではありませんから、
「シーだよ。」
と制しただけにしました。
火葬場に着きました。
棺を開け、最後のお別れをして
1もおじさんに見えるように、
もしかしたら気づいて起きるかも知れないと思ったのか
おじさんの顔のすぐ上でバイバイをして、
少しの間おじさんの顔を眺めて
棺の蓋が閉まりました。
みんなで手を合わせ、1もわたしの隣に立っていましたが
棺が窯に入ろうとしたとき
「ママ?おじさんどこ行くの?」
小さな声で聞きました。
わたしは手を合わせていたので、片手で1の頭を撫でただけで答えませんでした。
「ねえ、おじさんどこいくの?」
わたしの背中を慌てて叩き始めました。
「おじさんなにするの?」
棺を目で追い、わたしを叩き起こすように背中を叩き、
いま説明したら棺を追いかけてしまうので無いかと思い黙っていました。
見送りが終わり、
「おじさんね、これから焼かれて骨だけにならないとならないんだよ」
「なんで!?」
間髪入れず1がわたしを見上げて聞きます。
「日本は骨にならないといけない決まりなの。」
「あのままにしてくれないの?」
「骨にならないとお墓に入れないんだよ。」
1は少し考えて、わたしに抱きついて
顔を伏せてしばらく動きませんでした。
「さ、行こうか。」
みんなの居る控室に手を引いて歩くと
「…生き返りの魔法があればいいのに」
ぽつりとつぶやいて、窯を振り返り振り返り歩きました。
生きていて欲しかったというのは
生まれて初めて人の死を見ての、1の純粋な願いでした。
火葬が終わり
そんな1には骨になったおじさんを見せるのを迷って
申し訳無いけれど少し遅れて行きました。
それでも1はまばらに残るお骨を見て察したらしく、
自分から割り箸を貰いに行き見よう見まねで骨がどれかを覚えて骨を拾い始めました。
しばらく無心に拾っていたので
「1、もういいよ。」
しばらくそこにいましたから、呼び戻そうとすると
「なんで?まだ、ほねある。」
それを聞いた周りのおじさんおばさんが
「そうだね、がんばって拾おうか。」
と、1は1のおじいちゃんやおばあちゃん、おばさん達と黙々と細かい骨を拾い続けました。
火葬場の方の合図で割り箸を置いて、わたしの所に戻って来ると1は笑顔でした。
「おじさんのからだ全部しまえたかな。」
「うん、頑張ったね。おじさん喜んでいるよ。」
にっこり笑ってまたわたしに抱きつきました。
息子2は、状況をまだ把握しきれずに手を合わせて棺を見送ると、
同じ年の子と何も無かったように遊んでいたので
なおさら1が成長したんだなと思ったのと、
ケラケラと笑っていた幼児期から
これからまだまだ成長していくにつれて
段々と恐れるものが増えていくんだなと思ったら、
胸が痛くもなりました。
だけど、生きていて欲しかったと純粋に願った姿をみて
勉強が出来なくても要領の悪くても
優しい子に育って良かったとも思いました。
2年前に、わたしの病気が発覚して
嫌々でも(汗)手術をして生き延びる選択をして
いま生きて当たり前に1の側にいてあげられていて良かったと
その時初めて心から思いました。
わたしの時もきちんと骨を拾ってくれたらいいなー。
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